● 舞台監督読本

いままで誰も教えてくれなかった舞台監督の世界!
ミュージカル・演劇など舞台芸術の世界でよく聞かれる疑問、
「舞台監督って何するヒト?」
プロデューサーと予算配分を話し合い、
演出家のイマジネーションを実現し、
照明・音響・美術といった専門家を取りまとめ、
公演本番では舞台の建て込み(設営)からバラシ(撤去)までを主導し、
はては稽古から本番までの時間管理に小道具の調達まで、
舞台芸術創造と制作のあらゆるシーンに登場する舞台監督。
でもそれって、すべて舞台監督がやるべきこと?
実は舞台監督たち自身も“自分たちの仕事の領域”に確信が持てなかったりする。
本書はそんな「舞台監督ってなんだろう?」という彼ら自身の議論がきっかけで生まれた自己分析と検証の記録です。
8人の著者によるリレー形式で語られる内容はさまざま。
職制に対する本質的な考察に始まり、具体的なテクニックと段取りの解説から日々の活動の一瞬を切り取ったエッセイにいたるまでを読み進めるうちに、舞台監督という仕事の恐ろしいまでに深くて広い領域が浮かび上がってきます。
舞台芸術制作のあらゆるプロセスにタッチする舞台監督の“いま”を知るための総合解説書として使えるだけではなく、読みすすめるうちに“これから”の問題、彼ら自身が抱えている疑問が浮かび上がってきます。
「ここが議論の出発点になってほしい」という舞台監督たちの想いが伝わる、“答え”ではなく“問い”をそっと差し出してくれる、そんな一冊です。